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ISLisp の歴史

1970年代からの人工知能研究の進展により、Lispの標準化の必要性が認識され、DARPAでは MacLisp系を中心とし、 Lisp Machine LispやInterLisp, Scheme も反映させたLispの標準化活動を進め、その結果は Guy L. Steele により、1984年に Common Lisp the Language, 続いて、 1990年にCommon Lisp the Language 2nd edition として出版され、 1992年にCommon Lispは ANSI規格として制定された。


ISOにおけるLisp言語の標準化は1987年秋 標準化のための SC22 WG16 (Lisp WG)の設置により開始された。 当初は ANSI Common Lispが制定されれば、それがISO標準になるという認識があったが、 一方、Common Lisp の言語仕様の巨大さに対して、実行効率の低下や学習・利用における 問題に危惧を抱く意見もあり、WG16では Common Lispの持つこれらの問題を解決し、 コンパクトで効率が高く、かつ使いやすいLisp言語の設計を目標とした。


ISLISP の目的は、一貫した言語仕様をもち、産業界での使用に耐える得る品質を持った、Common Lisp の サブセットを開発することであり、Common Lisp の巨大さに対して、核言語をベースとするLayerd アプローチ をとった.このような核言語の候補として、当初 Eulispと Common Lisp が候補であった。


1992年1月のWG16 会合で、Lisp部分のベースとして、伊藤、湯浅、梅村等による日本案 KL(kernel Language) が採用され、またオブジェクト部分のベースとして 米国案の CLOSが採用された。 その後、KLの拡充強化と、大きすぎるCLOSのスリム化が進められ、 WG16におけるこのLisp標準言語は ISLisp と命名された。 1994年夏に CDが作成され、1996年9月のDIS投票で ISLISPがLISP言語のIS(International Standard)として承認された。 そして1997年,ISLispはISOのLisp標準規格として正式に出版された。